たくさんの生物が存在する『森』
自然に生息する動物たちにとって森という場所は生きていく上で非常に大切な存在ですよね。
もちろんリスもその中の一員であり、森の豊かな緑がないと生きていく事ができません。
しかし森にとってもリスという存在はかけがえのないモノで、実は森の発展に大きな貢献をしてくれています。
リスのある習性が森を大きくするための手助けをしているのですが、それは一体どんな習性なのでしょうか。
という訳で、今回はリスと森をつなぐ不思議な関係について詳しくまとめていきたいと思います。
リスが持つ貯食という習性

リスたちは『貯食行動』という特殊な習性を持っています。
この貯食行動というのは食糧がなくなる厳しい冬を乗り越えるために秋頃から木の実を蓄えておくことを指すのですが、リスたちの貯食行動は少し変わっていて一ヶ所にまとめるのではなく分散させて保管をします。
これは他の動物に奪われるのを防ぐための行動だと言われていて巣穴周辺の地面に分散させながら埋めていくのですが、時には埋めた場所が数百ヵ所に及ぶこともあります。
長い冬を乗り越えるためにそれだけの数を埋めなければいけないというのは分かりますが数百ヵ所なんて人間なら全部覚えておくなんて到底不可能な数字ですよね…覚えられてせいぜい2~3ヵ所ぐらいでしょうか。
しかしリスたちは埋めた場所をしっかりと覚えていて、冬の間はそれを掘り起こして食べながら生活をするのです。
リスの脳みそって梅干しぐらいの大きさしかないはずなんですが、この恐るべき記憶力は一体どこからくるのか不思議ですよね。
残された木の実が春に芽吹く
冬を迎えたリスたちは貯食していた木の実を食べながら冬を越すのですが、埋めた木の実の1割ほどは掘り起こされないまま春を迎えます。
そして掘り起こされないまま春を迎えた木の実たちがそのまま芽吹いて大きな木へと成長を遂げていく、そして森の緑がどんどん広がっていくという訳なのです。
リスは木の実が食べれるし森の木々は木の実を色んな場所に運んでもらえるので、リスと森はまさにwin-winな関係。
花がミツバチを利用して繁殖をすることは有名ですが、木とリスもそれに近い関係なのかもしれませんね。
一部の木の実が掘り起こされない理由…
なぜ掘り起こさないのか理由は色々あるようですが、
・埋めた場所を忘れた
・食べる前に春を迎えた
・掘り起こす前に他の動物に襲われ命を落としてしまった
こういった事が原因として考えられています。
しかしリスたちは埋めた場所を全て正確に覚えている可能性が高く、埋めた場所を忘れるということは考えにくいそうです。
多めに保管しておいて必要としなかった分がそのまま残る、もしくはわざと残すよう遺伝子に組み込まれている可能性の方が濃厚のようですね。
ちょっと変わった貯食場所

犬の身体
自宅でリスを飼っている人はご存知だと思いますが、リスを部屋に放すと色んなところにエサを隠そうとします。
タオルやティッシュBOXの中、机の下など隠す場所は様々ですが、犬の毛の中に隠そうとする子もなかにはいるみたいですね。
↓犬の毛の中に隠す様子がこちら
「こいつ俺の身体で何やってんだ…?」という犬の声が聞こえてきそうです(笑)
アンテナの中
野生のリスは普通なら地面の中に隠すはずですが、この動画のリスはアンテナの中に木の実を隠していたようです。
しかし、驚くのは場所ではなくその量。
↓アンテナの中から木の実が出てくる様子がこちら
どんだけ頑張ったんだ!と突っ込みたくなるような量ですね…
これだけあれば20~30年先の冬まで過ごせそうな勢いです(笑)
まとめ

今回のまとめ…
・リスは冬に備えて地面の色んなところに木の実を埋める
・残された木の実が春に芽吹いて森の緑が広がっていく
森からの恩恵を一方的に受け取っているのかと思いきや、ちゃんと森に対してリスたちが恩返しをしていたのは驚きでしたね。
埋めたことを忘れるのか、それともあえて残しているのかはリスたちにしかわかりませんが、リスと森が素敵な関係にあるのは間違いなさそうです。