豆知識

動物の寿命ってどれくらい?生物によって長さが違う理由とは?

皆さんは「天才!志村どうぶつ園」でおなじみのパンくんの事はご存知ですか?

人間に似た行動をするチンパンジーとして一躍話題になりましたよね。

おつかいや買い物にも一人で行ったり、箸やスプーンなどで上手に食事を取ったりと初めて見た時はかなりビックリしました。

そんなパンくんも先日10月1日で14歳になりましたね。

ちなみにチンパンジーの14歳は人間でいうと大体30歳ぐらいだそうです。

男は30歳からと言いますからパンくんも今から更にチンパンジー人生を謳歌していく事でしょうね。

 

しかし、そんな事を考えている時にふと疑問が。

「人間で例えるなら~」と動物の年齢を比較しますが、どうして生き物はそれぞれ寿命が違うのでしょうか?

「体のつくりが違うから~」とぼんやり理解出来ても、はっきりとした理由までは意外と知らないものですよね。

気になったので今回も色々と調べてみました。

寿命のメカニズム

まず、そもそも生物にはなぜ寿命があるのか。

体の作りがずっと生き続けられる仕組みだったら何も悩まずに済みますよね。

この寿命というシステム、実は大古の昔に存在していた原子生命には無かった機能なんです。

意外ですよね。不老不死の力を私たちの遠い祖先は持っていたんです。

ちなみに、現在でも一部のクラゲには寿命がなく半永久的に生きていられます。

 

ではなぜその機能が無くなったのか。

それは種族を繁栄させる為にあります。

新たな環境の変化に対応できるように「寿命」という物を作り、世代交代を行うシステムを作った事で、今存在している生物たちは「今」という環境に対応できるように進化していったのです。


画像の引用元:http://matome.naver.jp/odai/2141871605216379601/2141872224426318903

人間を見てみると分かるように数千年前は狩猟や採集などを行って生活をしていましたが、今ではこれだけの進化を遂げています。

人口もその頃と比べると爆発的に増えましたよね。

なので、それぞれの種族が持っている寿命というのは進化を行っていくために一番適している生命のサイクルなのです。

ちょっと難しい話ですよね。

簡単に言えば、食品などに書いてある「賞味期限」みたいな物ではないかなと思います。

その食品が鮮度を保てる時間を表すように、その種族が一番良い繁栄のサイクルを保てる期間が寿命なのです。

ちなみに私たち哺乳類に関しては寿命の1つの目安として「心拍数」という考え方があります。


画像の引用元: http://matome.naver.jp/odai/2144247256481953501

 

心拍数と寿命の関係

1つの例を挙げると

小さい生き物:ハムスター

心拍数 → 平均400回/分

寿命  → 約2年

画像の引用元: http://matome.naver.jp/odai/2142651403593249201

大きい生き物:ゾウ

心拍数 → 平均30回/分

寿命  → 約70年

画像の引用元: https://www.tokyo-zoo.net/topics/profile/profile23.shtml

実は哺乳類の心臓はどの生物も共通で一生の間に「約20億回」脈を打ちます。

この「約20億回」が寿命だと考えれば、体が大きな生き物ほど、心臓もゆっくり動くので長く生きるのです。

逆に小さな生き物は心臓が速く動くので寿命も短くなるということなんですね。

 

主な哺乳類の心拍数と寿命

寿命が短い順に上から並べてみました。

一覧で見ると大体が心拍数と反比例していますよね。

ハムスター


画像の引用元: http://matome.naver.jp/odai/2142651403593249201

心拍数:400~500回/分

寿命:約2~3年

ウサギ


画像の引用元: http://blog.hangame.co.jp/G917433178/article/26149000/

心拍数:150~280回/分

寿命:約8~10年


画像の引用元: http://nekogazou.com/konesato22/

心拍数:120~180回/分

寿命:約10~15年


画像の引用元: http://girlschannel.net/topics/296556/

心拍数:60~120回/分

寿命:約12~15年

ウシ


画像の引用元: http://www.fujifilm.co.jp/photomore/lesson/vol44/

心拍数:65~95回/分

寿命:約15~20年


画像の引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/ウマ

心拍数:32~44回/分

寿命:約20~25年

キリン


画像の引用元: http://gensun.org/aid/31079

心拍数:60回/分

寿命:約20~30年

イルカ


画像の引用元: http://photohito.com/photo/4390882/

心拍数:84回/分

寿命:約30~40年

チンパンジー


画像の引用元: http://ganref.jp/m/mirage0307/portfolios/photo_detail/d6f14d8874487bc610705236f1450bf3

心拍数:78回/分

寿命:約40~50年

人間

心拍数:60~90回/分

寿命:約75~80年

ゾウ


画像の引用元: https://www.tokyo-zoo.net/topics/profile/profile23.shtml

心拍数:22~28回/分

寿命:約60~70年

クジラ


画像の引用元: http://risingmoon.blog.so-net.ne.jp/2010-03-11

心拍数:8~10回/分

寿命:約100~200年

この一覧を見てお気づきかもしれませんが、私たち人類の位置が少しおかしいですよね。

心拍数だけで見るなら30歳ぐらいが寿命になるはず。でも平均寿命は80歳ぐらいになってますよね。

実は、必ずしも「心拍数」通りに寿命が比例する訳ではないのです。

育って来た環境などによって大きく寿命は変わるものなのです。

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本来の人間の寿命

実は私たち人間の本当の寿命は31年なんです。

最初に知った時は衝撃でした。

冒頭で「男は30歳から」とか言ってましたが、本来ならすでに寿命でしたね。

 

ではなぜ私たちは今元気に30歳を過ぎる事ができるのか。

それは育って来た環境が変わったからです。

縄文時代の頃の人間の寿命は30歳ぐらいだったと考えられています。

この寿命であれば人間の本来の寿命に近いですよね。

画像の引用元: http://www.nanamiya-aidma.jp/design/is_education_20.htm

人間も自然のままに生きた場合は本来の寿命年齢に近づきます。

しかし現在は文明が発達して、安定した食料の供給や最先端の医療技術、生活に対する安全の保障などによってこの数十年で人間が一気に長寿化したのです。

他の動物たちも知能が発達して自分たちの「遺伝子」に合った環境を作り上げる事が出来たなら、人間のように本来の寿命を超えて生きる事も可能になってくるのかもしれないですね。

 

まとめ

心拍数が寿命に関係しているのは意外でしたね。

しかも動物の種類によってこんなに心拍数が違うものとは思いませんでした。

同じ世界を生きていても同じ1秒間に消耗する命の量は動物によってそれぞれ異なるのです。

生命の神秘って本当に奥が深いですよね。