動物

イルカは寝ると溺れる?寝ないで脳を半分ずつ休ませてるって本当?

水族館の人気者『イルカ』

非常に高度な知能を持つ生き物で人間の脳と大きさが同じぐらいあることでも有名ですね。

文字や言葉を認識出来たり、人間が聞こえないような超音波を放ったりと様々な能力を持つイルカですが、実は寝る時も人間では考えられないような不思議な能力を使います。

その能力がないとイルカは水の中で溺れてしまうのだとか…一体どんな能力なのか気になりますね。

という訳で、今回はイルカの睡眠方法について詳しく調べてみたいと思います。

水中では呼吸が出来ない

忘れがちですがイルカは人間と同じ哺乳類なので『えら呼吸』ではなく『肺呼吸』をします。つまり水中では息をすることが出来ません。

そのため、息をするには頭に付いている鼻を水面に出して定期的に呼吸をする必要があります。(呼吸の間隔は40秒~1分程度)

でもそう考えると不思議になってくるのがイルカの睡眠ですよね。寝ている間にどうやって息をしているんだろうと疑問が湧いてきます。

もし同じ肺呼吸の人間が海の中で寝たら100%窒息して溺れますが、イルカも同じで普通に寝たら溺れてしまうでしょう。

頭を水面に出したまま無防備に寝てたらシャチやサメなどの捕食者にやられてしまいますし、ずっと息を我慢して寝続ける訳にもいきません。

「眠りについて脳を休めたいけど寝たら呼吸も出来ないし天敵に襲われてしまう…」

こんな悩みを解決するために編み出された睡眠方法がイルカやクジラ、そして一部の鳥類に見られる『半球睡眠』という睡眠方法になるのです。

 

半球睡眠の仕組み

イルカは右脳と左脳を交互に休ませる半球睡眠という睡眠方法をとります。

ぐっすり眠って全脳を休ませる人間には理解しがたい睡眠方法になるのですが、

・右目を閉じて右半身と左脳を休ませる

・左目を閉じて左半身と右脳を休ませる

という動作を1分ずつ交互に繰り返し、合計300~400回行うことでイルカは1日に必要な睡眠量を確保しているのです。

脳の片方を休めながらもう片方の脳で周囲を警戒したり必要最低限の呼吸をする、こうやって危険から身を守りながら生活をしているという訳なんですね。

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イルカにはレム睡眠がない

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類の睡眠があります。

レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?…

▼レム睡眠

『浅い』眠りについている状態。

脳:覚醒していて活動している

筋肉:緊張がほぐれて運動機能は停止

レム睡眠中は脳が活動しているので夢が記憶として残りやすいのが特徴的です。

▼ノンレム睡眠

『深い』眠りについている状態。

脳:休止していて活動していない

筋肉:緊張状態なので運動機能は作動中

ノンレム睡眠中は脳が休止しているので夢を見ていたとしても記憶に残りにくいのが特徴的です。

通常、哺乳類は人間と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら睡眠をとります。

ですが、イルカが半球睡眠をする際は基本的にノンレム睡眠の状態のみ。レム睡眠にはなりません。

なぜレム睡眠がないのかは明らかにはされていませんが、

・短時間で脳を休める必要があるため

・緊急事態でも体をすぐ動かせるようにするため

こういった事が理由にあるのではないかと言われています。

レム睡眠を取れないということは夢の記憶が残らないということ。もしかしたらイルカは夢を見ない生き物なのかもしれませんね。

 

まとめ

今回のまとめ…

・イルカは水中で普通に寝たら溺れる

・半球睡眠を利用して半分ずつ脳を休めている

・イルカはレム睡眠をとらない

寝なくていいから便利な能力のようにも思えますが、1分置きに1日300回も繰り返してたら逆に疲れが溜まってしまいそうな気がします…

やっぱり寝る時は布団に入ってぐっすり寝るのが一番ですよね。