ゲストのお悩みを専門家たちが解決する人気コーナー『ホンマでっか人生相談』。
2018年9月12日放送の今回は解説中にいつも噛んでしまうことで有名な元スポーツキャスター:永島昭浩さんと娘でアナウンサーの永島優実さんがゲストとして出演。
『父親の滑舌をなんとかして欲しい!』というのが今回の相談内容でした。
滑舌が悪い事でどんなデメリットがあるのか。また、滑舌の悪さを直すには一体どうしたらいいのか。
今回はその内容について詳しくまとめてみたいと思います。
65歳以上で滑舌が悪い人は死亡リスクが2倍になる

▼生物学評論家:池田 清彦先生の見解
東京大学が行った調査となりますが、65歳以上の健常者を対象に『滑舌が悪い人』と『滑舌が悪くない人』の比較を行ったところ、『滑舌が悪い人』のその後4年間における死亡率が『滑舌が悪くない人』と比べて2倍になったというデータがあります。
また、滑舌が悪いという事は舌や口の筋肉が衰えにより物を飲み込む力が弱くなっている可能性も考えられるので誤嚥性肺炎を引き起こしやすいという傾向も見られます。
滑舌が悪いとAIの時代を生き抜くことが出来ない

▼経済評論家:門倉 貴史先生の見解
『AIスピーカー』の登場によって様々な事が音声1つで片付くような時代になりましたが、滑舌が悪い人はこの音声認識のAIに対応をしてもらえない可能性があります。
技術がさらに進歩して身の周りの環境がAIによる音声認識のみという時代が今後やってくるかもしれませんが、もしそうなると滑舌が悪い人にとってはとても生きにくい時代になってしまうかもしれませんね。
噛まずに言える遺伝子を持つ人の方が実は少ない

▼認知科学評論家:中野 信子先生の見解
滑舌の良し悪しを遺伝子的に見てみると、
噛まずに言える遺伝子を持つ人:全体の約5%
よく噛むorやや噛みやすい遺伝子を持つ人:全体の95%
となるため、全く噛まないという人の方が実は少ないです。
緊張したり言い換えようとすると滑舌が悪くなる

▼認知科学評論家:中野 信子先生の見解
言葉を発する際はまず脳の運動準備野という部分で話す内容の準備が行われます。そしてその内容が口の筋肉に伝わり音が作り出されます。
しかし、緊張をしてしまうと口の筋肉への指令が脳から上手く伝わらなくなるため言葉を噛んでしまうという現象が起こってしまうのです。
ちなみに、普段から使い慣れている方言をあまり使い慣れていない標準語に言い換えようとする場合も伝達が上手くいきにくいので噛みやすくなります。
▼生物学評論家:池田 清彦先生による補足
難しい言葉を発する時よりも普段の何気ない言葉を発する時の方が噛みやすくなります。
これは中野先生が仰ることからも分かるように、
難しい言葉:脳でしっかりと準備を行ってから言葉を発するので噛みにくい
簡単な言葉:何も考えず反射的に言葉を発するので噛みやすい
となるからです。
滑舌が悪いのは頭の回転が異常に速いのが原因

▼歯科医療評論家:伊丹 太郎先生の見解
頭の回転が速すぎると喋っている時に『次の言葉』『次の文章』が頭の中で動いてしまうので噛んでしまいやすいです。
また、頭の回転が速い人は情熱家が多いので少ない言葉と勢いで相手に物事を伝えようとする傾向があります。
滑舌が悪くても最後まで伝えようとする事が大切

▼心理評論家:植木 理恵先生の見解
滑舌が悪いと話すのが億劫になって発言も控えめになってしまいがちです。
小中学校でも噛んだ時に周りから指摘されるのが嫌だからという理由で発表をしない子供がすごく増えてきています。
言葉を発言する目的は流暢に喋ることではなく、言葉を最後まで伝える事が主目的なので噛むことは気にする必要ありません。言葉に詰まっても自分の意志を最後まで伝える事の方が重要なのです。
噛み合わせが悪いと滑舌も悪くなりやすい

▼生物学評論家:池田 清彦先生の見解
食べ物を噛む時に片方だけで噛んでいると口周りの筋肉が片寄ることがありますが、上手く喋るためには筋肉が左右対称である事がとても重要になってきます。
口周りの筋肉のバランスが崩れると滑舌も悪くなりがちなので、食べ物を噛む時は両方の筋肉をバランスよく使うように心がけた方がいいでしょう。
水を飲み過ぎると舌が大きくなって話しづらくなる

▼歯科医療評論家:伊丹 太郎先生の見解
舌は全身の水はけをあらわすと言われており、その日その日の体内の水分量で舌の大きさは変わってきます。
そのため水を飲み過ぎれば舌も必然と大きくなり、それによって滑舌も悪くなってしまいます。
舌が大きくなっているということは体内の水分が上手く排泄されていないというサインなので、そういった場合は舌に適度なマッサージを与えて排泄を促すことが必要になってくるでしょう。
用意された物を読む時は誰でも基本的に噛みやすい

▼心理評論家:植木 理恵先生の見解
フリートークのように『自分の意見を自分の言葉で伝える時』は誰でも流暢に喋れますが、スポーツキャスターである永島さんのように『用意された原稿を誰かに伝える時』は誰だって噛みやすくなります。
『他人事』で尚且つ『正確に』となれば自分の言葉で喋れない上に緊張もしてしまうので、原稿に書いてある内容の一つ一つを自分の感情に引き付けて取り入れるという工夫をすれば滑舌の悪さも改善される可能性があります。
腹話術の練習をすると滑舌も良くなる

▼経済評論家:門倉 貴史先生の見解
腹話術は口を軽く閉じて舌の動きだけで言葉を発する必要がありますが、上手く喋るためには舌を活発に動かさなければいけないので腹話術をマスターすれば舌の動きがなめらかになって滑舌の悪さも必然的に改善されるという訳です。